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仮想通貨(暗号通貨)が現金の役割を担うには、匿名性・プライバシー保護に力を入れなくてはいけない #モネロ #ゼットキャッシュ

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世の中には色んな種類の暗号通貨が出回っており、それぞれが独自のメリットを打ち出しています。その中でも代表的なのが「匿名性」「プライバシー保護」というキーワードです。なぜ、暗号通貨がこれらの考え方を大切にしようとするのか?それは、暗号通貨の仕組みそのものに原因があります。

元祖ビットコインをベースとした暗号通貨というのは、誰が誰にお金を渡したのかという記録、その台帳がオープンな場所に置かれていて、誰でも見えるような状態になっています。例えるなら、全員のクレカの利用明細が見放題という、そういう状態にあるわけですね。

とある案件で、私はネット上で支払ができるネットマネーを扱う会社の方とお話したことがあるんです。その時に聞いたのですが、クレカみたいな便利なものをつかわず、わざわざネットマネーを使って支払をする人たちの中には、ポルノ動画を購入したいというユースケースがかなり目立つと。クレカで直接支払うと家族にバレますが、一度ネットで使えるプリペイドの通貨に変えてしまうと、どこで何に使ったのかは見えなくなるんですよね。

誰が何にお金を使ったのかバレない状態の度合いの大きさ、これを「匿名性」といいます。匿名性が高いというのは、何にいくら使ったのかのバレにくさが上がったと、そいういうことを意味します。使用記録がバレずに済むような通貨には昔から一定の需要があるし、そもそも自分は健全なことにしかお金を使っていないという自信があってもクレカの利用明細なんて他人に晒したくないものですよね。

そういうニーズに応えるのが、匿名性が高いと謳っている暗号通貨ということになります。

モネロ (XMR)

モネロは、2014年4月にリリースされた暗号通貨です。

  • 送金者の情報を他の取引の中にまぎれさせて分からなくする
  • 受取人のアドレスを隠す
  • 決済金額を秘匿する

という3つの情報を隠蔽することが特徴です。「誰に送信したのか」と「送金した金額」の2つは、公開鍵暗号という方法によって確認できるようにしています。この技術がどういうものなのかは、知りたければ適当なサイトにいくらでも情報が転がっているので、そこで確認してください。僕よりも上手く説明してると思います。

ただ、ここで大事なポイントとしましては「公開鍵暗号方式」がどこで使われている技術なのか、という点です。この方法は、現在は色んな所で普通に使われています。

たとえば、ブラウザでWebサイトをみている時、現在ほとんどのサイトは、公開鍵暗号という仕組みを使って、通信は暗号化されて周りに内容が漏れないようになっています。スマホでWebサイトを観ている時も、当然そのような処理が行われています。

つまり、公開鍵暗号という仕組みを使うということは、スマホでも暗号通貨を使えるようにしよう。それぐらいの負荷で扱えるようにしたいという、そういう意図があるということです。

ゼットキャッシュ (ZEC)

ゼットキャッシュは、モネロの2年後である2016年10月にリリースされた暗号通貨です。 そしてこの暗号通貨の売りは、少しだけ流行りみたいになっている「ゼロ知識証明」という技術です。この技術自体は1980年代に発表された暗号の概念なのですが、非常に有用であり。また、Zcashという名称からもZKP(Zero Knowledge Proof)をいかに大切にしているかが伝わってきます。

ゼロ知識証明とは何かといいますと。例えばAさんはBさんだけが持っている情報が欲しいとします。ただ、Bさんの持っている情報を得るには、Aさんはそれ相応のコストを支払わなければならないとします。だとすると、AさんはBさんが、確実に欲しい情報を持っていて欲しいと思う。一方でBさんは、Aさんが相応のコストを支払うまで持っている情報は一文字もバラしたくない、という状況に陥るんですね。

ゼロ知識証明は、そういう状況で役立ちます。Bさんが持っている情報を一文字もバレずに、Aさんに確実に「Bは情報を持っているんだな」ってのを伝える。これがゼロ知識証明です。

じゃ、具体的にそれをどうやって実現したのか。また、ゼロキャッシュがこのゼロ知識証明というのでどれだけすごい匿名性を作り上げたのか。これはもう専門家じゃないとわからないとは思いますが。ゼロキャシュはゼロ知識証明ってやつを使ってるらしいということぐらいは、覚えておくと他のコインとの違いを語る上で役立つかと思います。